時間がないところから、時間を眺める


リチャード・ラングによる文章

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自分の時計を見てください。時間の顔があります。時計の針は動きまわり、時間と分の移り変わりを示します。そこではすべては変化します。











自分自身を見てください―ここにはどんな顔もありません。この場所には、時間、年月の移り変わりを示す、どんな線もしわもありません。ここには、どんな変化もありません―この一なるものの上には、日付がありません。

その時計を自分のところへ引き寄せてください―それは消えてしまいます。向こうでの時間は、ここでの時間のなさに、取って変わられます。







片方の人さし指で時計の表面を指さし、もう片方の人さし指で、時間のない顔の不在を指さしてください。











時間が何時かは、あなたが世界のどこにいるかにかかっています。もしロンドンでお昼なら、ニューヨークは朝の7時で、サンフランシスコは朝の4時で、ニュージーランドは、真夜中の12時です…世界には時間帯があります。

あなたが今いるところは、何時ですか?

ここの「帯(ゾーン)」では、まったく時間がありません。ここ、あらゆる時間帯の真ん中で、あなたは時間のない一なるものです―常に時間がなく、それにもかかわらず、常に時間に満ちています。

すべての物事は、時間の痕跡をもっています。物はすり切れ、ひび割れし、壊れ、顔にはしわができ、体は固くなり、目は見えなくなり、耳はよく聞こえなくなります…しかし、あなたの本当の存在の中に、時間の痕跡を発見するでしょうか? 私は発見しません。私の不在の顔は、私が生まれた日、あるいは、生まれなかった日(!)と同じように、しわから解放されています。私の不在の体はまだ完全に柔軟で、私の静寂は完全に聞こえ、私の目は完全に明晰です…

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